スタッフコラム

個人事業主への道~固定資産売却編~

 

事業用の車・機械などの資産を譲渡(売却)したときの売却益・損はどの所得になるかご存知でしょうか?

 

 事業用の資産を売却したのだから、「事業所得」と考える方は多いのではないでしょうか?

実は「譲渡所得」に該当します!

 

では資産の譲渡はすべて譲渡所得になるのか?といえば、そうではありません。

 

次にあげるものは譲渡所得ではなく別の所得に含まれます!

・商品・製品などの棚卸資産 → 事業所得

・使用可能期間が1年未満の減価償却資産 →事業所得or雑所得

・取得価額が10万円未満の資産 →事業所得or雑所得

・取得価額が20万円未満で3年均等償却した資産 →事業所得or雑所得

 

その他、山林の保有期間が5年以下のもの(事業所得or雑所得)などは譲渡所得には該当しません。

少し補足をすると、山林の保有期間が5年超のものを譲渡した場合には山林所得に該当し、山林をその生立する土地と同時に譲渡した場合には譲渡所得に該当します。

保有期間や、土地を同時に譲渡したかなどの譲渡時の状況によって所得の種類が変化するんですね!

 

ですので、資産を譲渡した場合にはどの所得に該当するのかしっかり確認しておきたいですね♪

さらに!!ここで注意しておきたいことは!!!

事業所得に該当するのか、譲渡所得に該当するのかで使用する勘定科目が変わります!

 

・事業所得に該当する場合

売上や雑収入の勘定科目を使用し、事業所得上で損益を認識します。

 

・譲渡所得に該当する場合

売上や雑収入の勘定科目は使用せず、事業所得上では損益は認識しません。

さらに、固定資産売却益や売却損の勘定科目も使用しません。

別の勘定科目を使用しますが、それは後で記載します!

実は所得税の決算書には固定資産売却益などの勘定科目がないんですね!

気になる方は下記のリンクからご確認ください♪

(国税庁HP)

 

 

では!譲渡所得に該当する場合には実際にどのような仕訳になるのでしょうか?

個人事業主への道でおなじみのC子さんが机を売却した場合で確認しましょう♪

 

 

○C子さんが事業用で使用していた机(帳簿価額:50万円)を60万円で売却した場合

(借) 現金  600,000 (貸) 器具・備品(机) 500,000

                                (貸) 事業主借    100,000

 

○C子さんが事業用で使用していた机(帳簿価額:50万円)を3万円で売却した場合

(借) 現金   30,000  (貸) 器具・備品(机) 500,000

(借) 事業主貸 470,000

 

 

上記のような仕訳になります。

先ほど、損益は認識しない上に固定資産売却益などの勘定科目はないとお伝えしましたね!

売却益が出た場合には「事業主借」、売却損が出た場合には「事業主貸」の勘定科目を使用します。

 

ちなみにこの勘定科目、他の場合にも使用します!

 

・事業用の通帳から、家事用の支払をしたとき →事業主貸

・事業用の通帳から、国民年金や事業外の保険料を支払ったとき →事業主貸

・事業主のお金を事業用の通帳へ入金したとき →事業主借

・クレジットカードの支払いの内、一部家事用のものが混ざっているとき →家事用分のみ事業主貸

 

などなど…事業に関係のない支払いや入金に対して使用します。

個人事業主の方は使用する頻度が多いので、どんな時に使用するか覚えておくといいですね!

 

 

ご好評いただいておりました個人事業主への道シリーズですが!!!!
今回で終了です…

ですが、ご要望があれば随時書きますのでコチラからご要望をお送りください!!!
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