スタッフコラム

ちょっと待って!印紙貼り忘れていませんか?その領収書!

目次

1.はじめに

2.領収書と印紙税

3.受取書って何?

4.仮でも再でも領収書!?

5.印紙がいらない領収書は?

 

1.はじめに

こんにちは。

8月もあと4日で終わりです・・・もうすぐ夏休みも終わります。宿題はおわりましたか?

 

私も小中学生の子供がいるので、お盆のころから子供たちに追い込みをかけています。

夏休み当初は、早めにコツコツやるように言っていましたが、ペースが遅くラスト1週間で

全力疾走です。自分も後半追い込み型だったので、この親にしてこの子ありです。

 

また、私の住む大阪市は2学期の始業式が8月27日と夏休みが1週間短い!

(大阪市の教育委員会曰く、学力向上を図るためだとか・・・)

 

大人になってわかる宿題(仕事)はコツコツと早めに計画的にこなすことが大事だと・・・

税理士業務は、期限期日が大事です。

 

 

2.領収書と印紙税

先日、ちょっと高い買物をして現金で支払いをしました。

店員のお兄さんから渡されたレシートには、印紙が貼付されてお兄さんのシャチハタ印が押されていました。

あたり前の話ですが、5万円以上の売上代金を受け取ったら領収書に印紙を貼る必要があります。

平成26年の消費税増税から、印紙税が非課税の記載金額は、3万円未満から5万円未満にUPされており、5万円以上の買物を現金で支払うこともあまりない(高額の買物はポイント貯めるためにクレジットカードを使う・・・)ので新鮮でした。

 

ご存知の方は多いでしょうが、領収書の印紙についておさらいします。

 

印紙税とは、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)などに課税される税金で、印紙税法別表第一に課税の対象となる文書が20種類も課税物件表に掲げられています。

領収書はそのうちの一つ第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。

 

 

3.受取書って何?

 受取書とは、金銭や有価証券の受け取った者が、その受け取った事実を証明するために作成して、支払った相手に渡す証拠書類になります。

つまり「領収書」というタイトルの文書だけではなく、「受取書」、「レシート」、「預り書」も金銭を受け取りましたという旨が記載されていますので、「金銭又は有価証券の受取書」に該当し印紙税が課税されます。

 

また、売上代金を掛ではなく、現金で受け取ったので請求書や納品書に「代済」、「相済」や「了」などと記入したものも、受け取りましたという事実を証明するものも「金銭又は有価証券の受取書」に該当します。

 つまり、毎回お客さんへ渡す「レシート」も、お客様から依頼されて渡す「領収書」もいずれも「受取書」に該当します。

 

ちなみに、現金販売でレジから発行されるほとんどのレシートは、表題が「領収書」になっています。(先日、セブンイレブンで買ったお昼ご飯のレシートもタイトルは「領収書」でした。)

 お客様から領収書をもとめられて、レジから発行されたレシートと手書きの領収書を合わせて渡した場合は、その両方に印紙税が課税されますので、記載金額が5万円以上であれば、レシートと領収書の両方に印紙を貼る必要があります。

 

4.仮でも再でも領収書!?

 担当者が得意先を回って集金をした際に、その場で「仮領収書」を作成し発行した場合、「仮受取書、仮領収書」といった名称で発行されたものでも、金銭等を受け取ったことを証明しているものは、印紙税の課税対象になります。

また、得意先が領収書を紛失してしまったので、再発行してほしいと言われて「再発行」である旨を明記して領収書を発行して渡した場合も印紙税の課税対象になります。

再発行の場合でも印紙を貼らないといけないのは領収書を作成した側なので、再発行を依頼した得意先ではないです。

 5万円以上の領収書は、無くさないようにして欲しいですね。

 

5.印紙がいらない領収書は?

では、すべての領収書には印紙税の課税対象になるのか?

いえいえ、主に次に掲げるものが印紙税の課税対象にならないです。

 

① 記載額が5万円未満のもの

 前述、何度も書いていますが記載金額が5万円以上の場合は課税対象で、5万円未満は非課税になります。

また、記載金額が「○○代金 48,000円」、「消費税等 3,840円」「計51,840円」というように消費税等の金額が区分表示されている場合は、消費税等を含めない「48,000円」が記載金額になり5万円未満なので非課税になります。

 

② 営業に関しない受取書

 「営業」は、一般通念では、利益を得る目的で、同種の行為を継続的、反復的に行うことをいい、これに関しないものは営業に関しないものになりますが、わかりにくいですね。

 

具体的には、営業に関しないものは、

 

イ、個人が私的な財産を売却したときに作成した受取書

ロ、公益法人が作成する受取書

ハ、農業従事者等が作成する受取書(店舗を持たずに生産物を販売する場合)

ニ、医師、弁護士等の作成する受取書

 

 イは、すぐに納得できますが他は、知らないと間違えますね。

ちなみにニには、税理士も含まれますが、法人(弁護士法人、監査法人、税理士法人)が作成するものは課税対象になります。

弊社も発行する領収書には・・・安心してください印紙貼っていますよ!

 

③ クレジットなどで販売した場合の領収書

 時代はキャッシュレス!ポイントもたまるのでクレジットでの買物も多いと思います。

クレジット販売の場合は信用取引で商品を売り渡すので、その際の作成した領収書でも金銭を受け取った事実はないのでタイトルが「領収書」でも、印紙税の対象になりません。

しかし、クレジットカードを利用した旨を「領収書」に記載しないといけません。

レジで発行した領収書は記載漏れの心配はないですが、手書きの領収書の場合は注意が必要です。

 

④ 電子メールやPDFなどで交付した領収書

 ネット通販で、買い物をして領収書をお願いしたら後日、電子メールで送られてきたということはありませんか?なんと、メールで送ってきた領収書は印紙税がかかりません。

印紙税の課税対象となる課税文書は、(紙の)現物を交付した時に作成したとされています。

つまり領収書は作成したけど電子メールやPDFで送信した場合、FAX通信で送信した場合は課税文書を作成したことにならないので印紙税の対象になりません。

しかし、送信した後に現物を別途持参するなどの方法により購入者に渡した場合は課税文書を作成したことになり、印紙税の課税対象になります。

 

 商売をするなかで「領収書」を扱うことは多いですが、印紙を貼る必要のある領収書なのか、そうでないか正確に理解していなければ貼付漏れになり、税務調査で指摘されて過怠税を支払うことになり余計な出費になります。

特に、5万円以上の売上代金を現金で受け取る機会が多い業態は、従業員をはじめアルバイトさんにも理解してもらう必要があります。

皆さん注意してください。

 

 

【出典】

国税庁ホームページより

 印紙税の手引

 質疑応答事例(印紙税)

 文書回答事例(請負契約に係る注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係について)